(日本語翻訳)
2016年の12月僕は2週間ほど展覧会の準備のためマグデブルグに滞在した。滞在期間中、僕は貯水塔のポンプ室をアトリエと使用していた。そこは僕が寝泊まりしていた所から20分ほど歩いた所にあるとこで、僕は毎日川沿いに沿って貯水塔に向かった。
今思うとたくさんの思い出があるけれど、特に印象的だったのが、ライナーボグンスキに会った事だろう。彼は僕の寝泊まりしている部屋の横にアトリエを構えて制作していて、絵を描いたり、エルベ川で拾った鉄を使った彫刻を作ったりしていた。
ある夜彼はエルベ川で見つけた収集物のコレクションを僕に見してくれた。全く違った種類のもの、違った時代のもの、本当にたくさんの収集物のコレクションだった。僕はその収集物達を夜眺めていると、まるでエルベ川を通して、歴史を見ているような、そんな気分になった。それと同時に、夜星空を見ているような、ポラリスの光が433,8年前、シリウスが8,6年前といった、たくさんの時間軸を同時に見ているような気分にもなった。
翌日僕はいつものようにエルベ川沿いを歩きながら貯水塔へ向かっていると、一つの疑問が頭に浮かんだ。
”もし時間が川のように流れるなら、貯水塔って何なんだろう?”
時間が流れ、川の水も流れる。そして貯水塔には川の水が溜まっていく。時間が川のように流れ、川の水が溜まっていく。
エルベ川沿いを歩きながら、僕はなんとなく答えを発見したような気がした。
きっと貯水塔には時間が溜まる場所なんだろう。そしてそこは時間がアーカイブできる博物館や一冊の歴史の本のように、昔のことを振り返る事ができる場所なんだろう。

西松秀祐

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Fluss als Zeitlinie ( Rivier as Timeline)

2017, 8 channel sound installation, Collection from Rainer Borgunski ( found object from river Elbe )
, 81 slide, 35mm slide carousel projection, Text , Map

If time runs like a river, then how can we understand a place in which water is stored? Does it mean that time is also stored there?
In the Salbker Water Tower in Magdeburg water from the river Elbe used to be stored until 1910. For my exhibition in the water tower, I travelled to the spring of the river Elbe in the Czech Republic and recorded the river’s sounds all the way to Magdeburg. In the tower, I installed my recordings on 8 speakers somewhat geographically, leading from the bottom of the tower with the soundsof the river Elbe in Magdeburg to the top of the tower finally reaching the sound of the spring. Alongside the sound installation, Rainer Borgunski generously opened his private collection of found objects of the shores of river Elbe to the public. Through the river sounds, which I collected during a one month journey and his archive of hundred year old objects, we proposed that time itself might be stored the way that water has been stored before.

 

 

川のタイムライン

もし時間が川のように流れるなら、川の水を貯めておく場所、貯水塔をどう解釈すればいいのだろう? そこには時間も貯まるのだろうか?
マグデブルグ(ドイツ)にある現在は使われていない貯水塔での展示のため、僕はエルベ川の源泉(チェコ)からマグデブルグまで、川の流れる音を採集しながら、徒歩と自転車で600kmにわたる旅をした。
展示では貯水塔全高100mほどの貯水塔に8つのスピーカーを設置した。 階段を上っていくとともに徐々に源泉に近づいていく。そしてサウンドインスタレーションとともに、マグデブルグで知り合ったライナー ボグンスキーにエルベで採集された彼のコレクション(砲丸、昔のビン、石、建物の土台等)を展示させていただいた。
旅で採集したエルベの流れる音、50年、100年前の昔のもの、それらを展示する事で、川の水が貯められた場所に、時間そのものが溜まったアーカイブの様な空間を作る事を試みた。